「……分からない」
「なにそれ。…まあ、いいけど。」
呆れた顔で笑ったあと、そのラブレターは読まずにかばんの中にしまった奈央ちゃん。
「それより結衣。何かあったの?」
「え、どうして?」
「なんか魂でも抜けてるような顔してるよ」
そう言うと、机の上に置いてあった鏡を私の顔の前に向ける奈央ちゃん。
……ほんとだ。確かに私、そんな顔してる。
あれだけ信じがたいような出来事が、自分の身に起きてしまっているから当然といえばそうかもしれない。
頭の中で錯乱している言葉を一つずつかき集めて、パズルのように正しい位置へと当てはめると──、
それを一言一句漏らさず正確に、奈央ちゃんに伝える。



