あまりの近さに、ゴクリと息を呑む。
ドキドキ、ドキドキ──…
鼓動の音が大きくて、向葵くんにも聞こえてるんじゃないかと不安になる。
私は、静かに視線を逸らすと。
「結衣ちゃん、言うのが遅くなったけど聞いてほしい。」
そう言ったあと、ソッと私の手を掴んだ。
ドキっ──…
「俺、結衣ちゃんのことが好きなんだ。」
………えっ?
あ、向葵くん………
「ちょっと、待って。…頭が……」
今のは聞き間違い……?
どう考えてもあり得ない言葉が今聞こえたような気がして困惑していると、ふわっと微笑んだ向葵くん。
そして、また──…



