………ああ、そっか。


そうだったんだ。


こんなに何度も、何度も、向葵くんのこと考えるのって……


…………向葵くんのことが、好きだったからなんだ。



自覚してしまったら、その感情を抑えることは不可能で。

プールの栓をはめ忘れて溜めた水が、全部流れ出してくるような、そんな感覚。

とにかくもう、止められそうになかった。


向葵くんに対する「好き」の気持ちを。