ズキっ──

……なに、これ……。

どうして私こんなに苦しいの……


向葵くんが言っていた“用事”ってこのことだったの……?

その女の子は誰?

どうして一緒にいるの?

たくさんの疑問が頭の中に浮かんでくるけど、向葵くんに聞けるはずもなくて、それは泡のように儚く消えていった。


ズキ、ズキ、ズキ、ズキ──…


頭の中に痛みが走る。

息がうまく吸えなくなる。

……私、どうしてこんなになってるの。


いつも私に笑いかけてくれる向葵くんの視線は、今、あの子に向いている。

私に気づいてはくれない。

こんなの、嫌だ……