私、ばかみたい。 そんな話なんて私に起こるはずないのに。 恋に憧れてばかりじゃダメだって奈央ちゃんに言われたのに、癖で考えちゃう……。 「じゃあ、向葵が帰って来たことだし俺、帰るわ!」 そう言ったあと私の方をチラッと見て「日坂さんもこれからよろしくな」と笑って、校舎の方へと歩いて行く。 えっ…… 散々、私のこと振り回してたのに帰るときはわりとあっさりなんだ。 なんだか拍子抜けして、ベンチからその姿をしばらく見つめていた。