そう言って、またニコリと笑った佐野くんの視線に耐えられなくて、フィッと逸らす。
……もうっ、そういうのいちいち言わないでほしい…っ!!
すっごく恥ずかしい!
ドキドキと鼓動の音が聞こえてくる。
「初々しすぎて俺、心配になっちゃうな〜」
呆れた様子でそんなことを言う佐野くんに「は、離してください」そう懇願するが、ぎゅっと握りしめられた手を解こうとはしてくれなくて。
……ああ、もうっ…!
何これ、何この状況!
もう限界かも──
そう思って目をぎゅっと閉じた、その瞬間、ザッザッ、ザッザッっと警戒な音が聞こえてくる。



