私は、その笑顔が眩しすぎて目を逸らしてしまいたくなった。

……かっこよすぎる。

なんか私ばっかりがドキドキしてるんじゃないのかな。

ちょっとだけそれが悔しい気がして、むぅーっと頬を膨らませた。

すると、横から私の頬をツンツンっと何かがつつく。

何だろう? そう思って視線を横に向けると、向葵くんの細くて綺麗な指先が、視界いっぱいに広がった。


「結衣ちゃん、リスになってるね」


そう言うと、クスッと笑って、再度私の頬を二度つついた。

な、何これ…っ!


指先から伝わる熱が熱くて、頬がじんわりと熱を帯びてくる。

そのから熱が侵食して顔も首も、全身が熱くなる。


「な、何してるんですか…っ!」