「……あの」

「玲哉。玲でもいいよ?」

「そういう問題じゃなくてですね」

「幼馴染はみんな玲って呼ぶから、そっちのが特別感あるでしょ? 千波ちゃん」

「……下の名前で呼んでいいって言っていませんが」

「俺のことも玲でいいから」

「………」

わたし、さっき拒絶したよね? 藍田くんは話が通じない人? それから……

「……あまり左から見ないでもらえますか?」

「? なんで?」

藍田くんが座っているのは、わたしの左隣。どうしても目についてしまうよね……。

「……目立つでしょ、これ」

と、今度こそ自分の左頬をさす。

「……気にしてるの?」

気にならないわけありますか。