うわああああああ! 見られてた⁉ いや確かに図書館からの帰り道が危ないからとか言っていつも送ってくれるけど! 

「そ、そう! 彼氏! お付き合いしてる!」

頭の中の勢いのまま、叫ぶように宣言した。

「……どんな奴だ」

「めちゃくちゃ優しい人! 天使みたいな人!」

――前世どうのは家族には言わないようにしよう? と、玲哉くんから言われていた。

『ただの妄言甚だしいバカが娘のことかどわかしてるとか思われるだけだろうし、事実、証明も出来ないことだし』

――というわけで。

「あー、緊張する」

「玲哉くんでもそんなことあるんだ」

「当然だよ。だって千波ちゃんのご両親だし」

……姉に喧嘩売ってたのは誰だっけ。

翌土曜日、急きょ玲哉くんがうちに来ることになった。