「千波、ちょっと来なさい」

金曜日のお夕飯の片付けも終えたあと、部屋行って課題やろー、と思っていたわたしに、お父さんが言った。

「なに?」

言われて、ダイニングテーブルにつく。

「お前、付き合ってる男がいるのか?」

「……ぶっは! な⁉」

な、なんでお父さんがそれを⁉ 

困惑のあまりお父さんと、まだキッチンにいるお母さんを見比べていると、お母さんがにやにやした顔で言った。

「最近ね、ご近所さんによく言われるのよ。千波ちゃんがモデルさんみたいなカッコいい男の子といるのよく見るけど、彼氏? って」