「……っ」

顔! 顔が熱くなる! 絶対紅くなってるよ~! 見られたくなくて藍田くんと反対の方を向こうとすると、肩を抱き寄せられた。

「ちょ、」

「だから早く、俺のこと好きになって」

心臓に悪いを通り越して、私をころしに来てるでしょ、藍田くんは……。

「……~~~~なってる『かも』しれません……」

かも、を強調して言うと、

「……だから千波ちゃんは可愛いが止まんないんだよ」

そう呟いて、わたしの左頬にキスしてきやがりました。

今度は頭突き……できませんでした……。

代わりに……

「……好きに『なり』ました……。玲哉くん」

これがせめてもの、お返しでした……。

今、わたしが出来るせいいっぱいの。

藍田くん――玲哉くんの反応は、呆気にとられたような顔。

それから――

「………………千波ちゃん、結婚しよう」

「……はい?」

丸々一分黙ったあとの求婚でした。





END.