中学にあがって、親友という存在が出来た。

遠江那也(とおとうみ なや)。

地味でチビで本が大好きで休日は図書館に行くことがほとんどなわたしとは正反対の、長身でキリッとカッコいい剣道女子。
 
面倒見が良すぎて、幼馴染の男の子のお母さんとすら呼ばれている。

その幼馴染くんがまた女の子みたいに可愛くて、中学でも高校でもアイドルくん扱いだった。

那也とは中学一年生の、最初の席が隣だったことから仲良くなった。

部活は違うけど、それ以外の学校の時間はほとんど一緒だった。

休日も、那也の剣道の試合が観戦OKな日は見に行くようになった。

那也は強かった。綺麗だった。カッコよかった。わたしの憧れだった。

那也も、部活がない休みは私と一緒に図書館に来てくれることもあった。

美人で面倒見が良くて頭もいいとか……完璧すぎる……!

二人して同じ高校に進学してすぐのこと。

那也が、学園の王子に目をつけられた。