重い瞼をうっすら開くと、真っ白な天井がある。
夏の残り香に混ざって薬品の匂いが鼻をさした。
あれ……ここ、保健室だ。
体操着姿の私の身体には、薄手のタオルケットがかけられている。
「起きた?」
声が聞こえた方へゆっくり顔を向ける。
「……葉月くん?」
パイプ椅子に腰掛けた葉月くんが、どこか心配そうに私を見ている。
「……本気で焦っただろ」
よかった、と葉月くんがおでこに手を当てて溜め息混じりに呟いた。
「わ……私、なんで保健室にいるんだっけ?」
今日は球技大会で、バレーボールでは負けちゃって、葉月くんがバスケの試合をしてて。
「本多のボール頭にくらったからだよ」
「あっ……」
葉月くんが、私が保健室に至るまでの経緯を話してくれたから、すんっと思い出した。
通りで、おでこが痛むわけだ。
「はっ、葉月くん……!!メガネ!メガネは!?」



