「お前の推理、またバスレ」



皮肉を言われてるのに、ドキドキしてることが悔しくてたまらなくなる。


慌てふためく私とは反対に嬉しそうな葉月くんに、私の不満がいよいよ爆発した。



「へ……平気でこんなことしないでよ……っ、こっちは、ただでさえ葉月くんの調査のことで頭がいっぱいなんだから!」


「は」


「気になって仕方ないんだよ!?夢に見ちゃうくらい葉月くんで頭がいっぱいってこと!責任とってよ……っ」



拍車をかけるみたいにからかってくるんだもん。


少々むちゃくちゃなことを言っているかもしれないけど、今朝見た夢にも頼んでもないのに葉月くんは出演してくるし、本当のことだ。



「あ、あれ……?は、葉月、くん?」



てっきり反論してくると思ったのに、キョトンとした顔でしばらく葉月くんが固まっている。



「……そういうこと他の奴には言うなよ」



ぶっきらぼうな口調で答える葉月くんに、一瞬、疑問符が飛び交った。



「も、もちろんだよ!葉月くんにしか言わないよ!」



調査対象者が葉月くんなんだから!