朝からずっとこうだ。

正しくいえば昨日の朝から。

どういうつもりなのか知らないけど、琴莉が俺から逃げまくってる。


んで、避けられてる。

指一本触れさせてくんないどころの話しじゃない。


隣の席だってのに、授業中も断固として琴莉はこっちを向かない。


向かないというよりかは、俺の顔を見ないことに全神経を集中させてる。


そんなに見たくない?

休み時間になる直前にはフライングして木ノ下の席に走り出す。



「なんだ羽澤!それほど俺の授業が終わるのが待ち遠しいのか!?だいたいお前は先月だって俺のことを馬面呼ばわりして──」と、当然だが馬面に怒鳴られていた。



俺、琴莉が嫌がることした?



「葉月達って、付き合ってまだ少しだよなぁ?まさか葉月……お前、羽澤にその……っ、え、エロいことしたんじゃないだろーな!?」


「は?するわけないでしょ」


したいけど、とは及川には言わなかった。


てかなんで及川が顔真っ赤にしてんの?