「そういえば」



……と。

真っ赤になっているであろう私を見つめる葉月くん。



「な、なに……?」


「泊まりにきた時、俺の腕ん中に潜り込んできたのは琴莉の方だからね?」



琴莉……!?

突然名前で呼ぶなんて、不意打ちすぎるよ葉月くん……。



「って……え?私が?でも、あの時そんなこと一言も……」


「言ってないよ?俺だけの秘密」


「ひ、秘密にしてたなんて、ズルいよ葉月くん!すぐに起こしてくれればよかったのに……」


「起こすわけないでしょ?もったいない」


「もったいない……?なんで……?」


「さぁ?」


「ズルい……ちゃんと教えてよ葉月くん!」



葉月くんには、もっと秘密がありそうです。


だけど、今度はすぐに見つけるからね。



「寝顔も可愛すぎて起こせないってこと」


「え……!?」


「でも、起こして続きするのもいいかも?」


「なんの続きかわからないけど……ダメ、です!」




やっぱり、


秘密のままでもいいかもしれません……。



*fin*