その意地悪な笑顔に私が勝てるわけもなくて。


それに、理由なんてひとつしかない。



「なんでって、そんなの葉月くんのことが好きだからだよ……っ。好きで好きで、モヤモヤして……」



こんなにも私は、葉月くんが好きでしかたない。


それを認めて告白した途端、恥ずかしさのあまり全身が熱くなった。



「全部、葉月くんのせいじゃん……責任とってよ……っ」



私を見つめる葉月くんの大きな瞳が一瞬、驚きに染まる。



「とるよ?秘密が解けたらね」


「え、秘密……?」



今……葉月くん、秘密って言った……?



「誰も知らない秘密、まだ残ってるんだけど」


「嘘……!?」


「クラスの奴も、お前も知らないかも?」