一事はどうなるかと思ったけれど、私達のクラスの劇は無事に幕を閉じた。


それを馬面が及川くんに伝えると、心底喜んでくれていたみたい。


衣装から制服に着替えた私達は、教室で劇の成功を喜んでいた。



「ねぇ、葉月くん?絶対アレって葉月くんのアドリブだったよね!?」



……と。

咲希ちゃんから葉月くんについて尋問を受けていると、女子が数人、隣の席の葉月くんを囲んだ。



「そうよ琴莉!わたしも思ったのよ!王子があの宝石を琴莉に託すシーンは葉月……じゃなくて、葉月くんのアドリブでしょ!?」



私の親友は予想通りやはり手のひらを返した。


葉月くん、だなんて……。


色んな意味で震えるからやめてほしいよ咲希ちゃん!