葉月くんの秘密は、最初に言われた通り、はなから私が簡単に当てられるわけがなかった。



「調査終了。もうこれ以上、俺に踏み込まないでくれる?」



ようやく私へ振り向いた葉月くんを、沈みかけた太陽が照らす。


そのまま葉月くんのことも連れ去ってしまいそうに感じて、たまらなく泣きたくなった。


……けれど。



「嫌だ……っ」


「は?」


「本当の葉月くんが消えちゃうのは、嫌だって言ってるの……!」



そんなの絶対に嫌だよ、葉月くん。



「羽澤……?」



心底驚いた葉月くんがそれを隠すことなく私を呼んだ。



「そ、そんなの……葉月くんにだって消させないよ!だったら私は、神様にだってに逆らうし、葉月くんにだって逆らうよ……っ!」