今日の天気は朝から荒れていた。


青を失くした空は分厚い雲に覆われて、もう夜にすら感じる。



「はぁ……」



横殴りの雨風が吹きつけており、それはまるで秋の嵐だ。



「ちょっと琴莉!?どーなってんのよ!」



休み時間になるとすごい気迫の咲希ちゃんが、溜め息ばかりをつく私を教室の隅っこへと連れ出した。



「え、どうって……?」


「葉月と琴莉が別れたって、すごい噂じゃない!?」


「もう……別れるもなにも、付き合ってないんだよ咲希ちゃん!」



この噂をあと何度否定しなきゃいけないのか。



葉月くんに突き放されたあの日から、ずっとまとわりついていた例の噂が今度は一変して、ふたりが別れた!と瞬く間に駆け巡った。