* * *


「は?葉月の家に泊まった………?」


「だ、だからそうだってば……っ」



昼休み。

最深の注意を払って、窓際で、咲希ちゃんに昨日の件について説明していた。


すんなり受け入れられないのか、もう二度も同じやり取りを繰り返している。



「自分が見た夢の話をしている?」


「……現実だって!!」



信じられん……と、ぶつくさ言っている。


さらに、私が昨日、咲希ちゃんに連絡がつかなかったことを訴えると。



「もしかして、わたしが昼寝してたから!?」


「だからそうだよ!咲希ちゃんにトークアプリで助けを求めたのに!困ったことがあったらお互い話そうねっていう幼き日の約束はどこへ!?」


「ああ、推し活のために睡眠を優先していたわねぇ……」



今後はこのお客様相談窓口は利用しないでおこう……。



「なるほど……だから、朝からふたりの噂がまた炎上してるってわけね!?」



咲希ちゃんの言う通り。

朝、寝ぼけ気味のボザボサヘアの葉月くんと一緒に登校したのだけど。