昨日の夜は生まれて初めてキスなんてしてしまって……なかなか寝つけなかった。


けど、私がなんで葉月くんの腕の中にいるの……!?


すると、微かに葉月くんが動く気配がした。



「……あ、あの」



葉月くんが、ぼんやりと目を開けたことに気づいて、声をかける。


……だけど。



「……あと少し」


「ちょ……っ、」



突然、背中に回されている葉月くんの腕がさらにギュッと私を抱き寄せた。


まさか、寝ぼけてる……!?


人のことなど気にするわけもなく、再びすーすーと寝息をたてる葉月くん。



「……、」



戸惑いと混乱とバクバク騒がしい鼓動に、私はもう気絶してしまってもおかしくはないと思うくらいで。



私、抱き枕じゃないよ葉月くん……!?