「んぅ……、」



カーテンの隙間から射し込む太陽の光を浴びて、私はうっすらと重い瞼を開いた。


完全に目が覚めない視界の中に、長いまつ毛とサラリと流れる黒い髪が映り込んで……。



え……?



「……っ!?」



パッチリ目を開けると、微かに寝息をたてる無防備な葉月くんの寝顔が目の前にある。


そ、そうだ……。

私、葉月くんの家に泊めてもらって、同じベットで寝たんだ。


だから隣で葉月くんが寝てるのも当たり前なんだけど……。



「な、なにして……っ、」



起こさないようにそっと起き上がろうとしたのだけど、そこであることに気づいた。


な……なんで……!?


葉月くんの腕がしっかりと私の背中に回っている。