いっぱいいっぱいになった私はどうしたらいいのかわからなくて、ただただ葉月くんを見つめるしかなくて。



「ごめん。限界」


「は……葉月、く……」


「ギリギリで止めるはずだったのに、お前のせいだろ……」



不服そうに、だけど甘さを含んだ葉月くんの声が鼓膜を震わせた。



「っ、」



それを聞き返す隙なんて一秒も与えないように、葉月くんは私の唇を塞いだ。


葉月くんの唇から伝わる熱に、驚いた私は目を見開いて固まる。



すぐに解放されると思っていたのに、葉月くんは私の髪をくしゅくしゅと撫でるようにして、キスをしたまま私の顔を引き寄せる。



ドキドキと内側から打ち付ける鼓動の音は、きっと葉月くんに丸聞こえなんじゃないかな……。


今にもとろけてしまいそうな頭の中でそんなことを考えながら、私はようやく目を閉じた。