「困ってんなら泊まれば?」


「え、どこに……?」


「俺ん家」


「…………」



咲希ちゃんじゃないけど、耳が故障したかもしれない……。



「来んの?来ないの?」


「え?葉月くんあの……今、なんて?」


「木ノ下も寝てるんでしょ?連絡つかないみたいだし。だから、泊めてあげるって言ってんの」



確かに咲希ちゃんは既読すらつかないから完全に寝てる。


いやいやいやいや、でもちょっと待って!?



「葉月くんの家に!?」


「他にどこに泊まんだよ」



そりゃ、野宿をすることを考えたらありがたい話だけど……。



「だって、ご両親にも迷惑かけちゃうよ!」


「いないよ。法事で北海道行ってる。帰ってくんのは明後日」


「……」