「あの……」



咲希ちゃん助けて!!

あまりの殺気に慄いた私が咲希ちゃんに助けを求める。



だがしかし、驚きのあまり目と鼻を全開にした咲希ちゃんは、いつの間にか身につけた後ろ向き歩行を展開し、姿を消した。



待ってぇーーー!!

さっき友情を確認し合ったと思ったのは私だけか……。



「行きましょう」



逃がすまいと私の顔面スレスレに顔を寄せてなお殺気を放つ。



「はい………」



どうやら拒否権など私にはないらしい。




連れて来られたのは一階のつきあたりにある非常階段。


私、なにかやらかしたのだろうか……。


イケメン観察と称して飛鳥くんを見て騒ぐ女子にも厳しいとは聞いたけど、私はその場に参戦してなどいない……。



「湊音の隣の席なのよね?」



開口一番、直球な人だ……。