* * *


「えー!?意地悪な宝石売りって、そんなに台詞あるの!?」


「そーなの!この役は木ノ下さんにしか出来ない!とか言われてさ!」



確かに……。


学校に着いて、文化祭の話をしながら靴を履き替えていると。



「ほんっと、ひどいでしょ……って、琴莉……う、後ろ……」


「えー?」



ケラケラ笑いながら、なぜか青ざめた表情をした咲希ちゃんに言われるがまま背後へと振り返った。



「ヒッ……っ!?」



な、なんで……?



「羽澤琴莉さん?話があるんだけどいいかしら」



そこには朝練を終えたのか、ジャージを着た東條先輩が待ち伏せするかのように立っていて……。


その空気はクールビューティから放たれているものとは思えない程、殺気を放っていた。