陰キャだの陽キャだの、そんな類で表すなら思惑通りと言えばそうだど、圧倒的に俺は前者に分類されて。


普通、仲良くなんかなりたくないだろこんな奴。


姿勢も髪型も、素顔を隠す分厚いメガネも全てまやかしで。


その上、自分で壁まで作って固めてる。


案の定、入学して最初の夏休みが終わるまで、誰も声をかけてはこないし興味も示さない。


透明人間にでもなったみたいで、それでよかったんだ。


また誰かを傷つけるくらいなら、このままでいい。



だけど。



───“す、すごい……。葉月くん、よく覚えてるね! ”


ひとりの世界に、ある日突然、羽澤が舞い込んできた。