「……それに、葉月くんが寂しくないって思ってるって、ちゃんと知れたから。安心したよ!」


「お前なぁ……」



わかってて言ってんのか、それとも素直に思ったことを口に出すタイプなのか。


羽澤の場合、絶対後者だけど。



「映画すごい怖かったね!?でもあの女の人の呪いがだんだん広まって……うぅっ。か、帰ろっか!」



笑ったり、怒ったり、焦ったり、忙しい奴。


これじゃ本当に調査どころじゃないし、羽澤が言ってたデートになるんじゃないの?


たいした収穫でもないのに、なんでそんなに嬉しそうにしてんだよ。


本当、羽澤が俺の素顔に疑念を持ち出してから調子狂う。


最初は見られてるなって感じてたけど、まさか本当に気づいて追求してくるとは思わなかった。



───“で、でも!私はせっかく隣の席になったんだから仲良くなりたいなって ”


隣の席の羽澤が、そんなことを思ってるって知った時は正直驚いた。