「そ、それで!?飛鳥くんとは何話したの!?」



……あの、咲希ちゃん、顔近すぎるんだけど。


放課後、授業中もずっと聞きたそうにうずうずしていた咲希ちゃんがいよいよ問い詰めてくる。


私の頭の中は、去り際の飛鳥くんのことでいっぱいだった。



「わたしのラインのIDとか知りたがってなかった!?」


「ううん!これぽっちも」


「……オブラートに包むって言葉知ってる?」


「あのね、実は葉月くんのこと……聞かれたの」


「はぁ!?」



私は飛鳥くんと話した内容を咲希ちゃんに伝えた。



「ほーん。なるほどなるほど。やっぱり飛鳥くんはイケメンな上に優しいのね。まぁでも、正反対なあのふたりが友達になる姿とか、学校以外での場所で仲良くするとか、想像出来ないわ……」



友達……か。


ん? 友達? 学校以外?



「あーーっ!それだよ咲希ちゃん!」


「デカい声で出さないでよ!わたしの耳はまだ現役よ!って、琴莉!?」



ピンっときた私はカバンも持たずに駆け出した。