「な、なにを言ってるんですか! だだだ大丈夫です。眠れますから」
勢いよく布団を頭まで被り、隼に背を向けて目を硬く閉じる。
こんな状況でそんなふうに言うのはやめてほしい。きっとあたふたと慌てる優莉を見ておもしろがっているのだろう。
背後で隼が笑っている気がしてならない。変なことを言われたせいで余計に意識してたまらず悶々とする。鎮まって!という願いと裏腹に鼓動は大暴れだった。
こんな状態では朝まで眠れないかも。
そう考えていたのに、優莉は数分と経たないうちに眠りの波にさらわれていった。
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