「隼ったらね、あっちでずっと〝優莉が〟〝優莉が〟って、あなたの話ばかり。帰りの空港じゃ、あれもこれもってあなたへのお土産を抱えきれないほど買い込んで」
「おい、やめろ」
隼が遮ろうとするが、ソフィアは負けていない。
「早く帰りたいからさっさと決意しろなんてひどいと思わない? こっちは人生を揺るがす選択を迫られているっていうのに」
ソフィアは呆れ顔で隼を見てから優莉に笑いかけた。
すべてを暴露された隼は、バツが悪そうに優莉から目を逸らす。
「だからね、そんなに愛しく想う優莉さんとお話がしたかったの」
「本当に申し訳ありません」
そこまで思ってくれたソフィアに失礼極まりない。
「いいのよ。優莉さんも隼を大好きなのね」
「あ、えっとその……」
直球で指摘されると反応に困る。堂々と隼を好きだと宣言するには気恥ずかしさの方が勝るのだ。



