優しく頭をポンポンとされ、引っ込んでいた涙が再び溢れそうになる。
でもそこでソフィアの存在を思い出し、本題はまだこれからだと心が凍りついた。
優莉の目線が彼女に向いたのに気づき、隼が口を開く。
「ソフィアにどうしても優莉に会わせろって言われて」
隼の口から彼女の名前が出た瞬間、優莉の体は金縛りにでもあったかのように硬くなった。
優莉に会って、なにをどうするつもりなのだろうか。隼の口からではなく、ソフィアから最後通告をされるのか。
ソフィアが隼の隣で優雅に微笑む。
優莉があまりにも怖くなって一歩下がると、隼は「優莉?」と不思議そうに首を傾げた。
「ソフィアさんとお付き合いされるんですよね。だからこうしてここに」
回り道をして話を逸らしたって結論は同じ。単刀直入に問いただした。
ところが隼は目をまん丸にして「へ?」と顔を突き出す。
「いったい全体どこからそんな話が出てくるんだ」



