「そっちはレストラン事業部のみんなに、こっちは優莉にお土産」


左の紙袋がみんな用で右が優莉用だと言う。


「私にお土産なんてよかったのに」


部署のみんなにはまだしも、個人的に買ってきてもらうなんて申し訳ない。


「そうはいくか。ずっと寂しい想いをさせてたんだから」
「でも、こんなにたくさん……」


上から覗いただけでも有名ブランドのコスメや中身のわからない大小さまざまな箱が見える。


「最後に空港でどっかり買い込んだ。どれがいいかわからないから、店員に勧められるままにね。差をつけて悪いけど、部署のみんなには定番のチョコレート」
「ありがとうございます」


うれしさが込み上げる。つい先ほどまで感じていた寂しさや不安が嘘のよう。隼に優しくされるだけで、こうも心が変わるのかと驚きだ。