心臓が壊れてしまうのではないかと思うほど、鼓動がさらにスピードを上げていく。素直に口にしようと思えるのは、隼が打ち明けやすい空気を作ってくれたおかげだろう。彼の告白がなければ、絶対に伝えられなかったはずだ。
「私も好き、です」
やっと言えた瞬間、顔の温度が一気に上がる。頬も耳も真っ赤になっていくのを感じた。
隼の目は点になり、それから激しいまばたきを繰り返す。右手で優莉を制し、左手で髪をくしゃっとかき上げた。
「ちょっと待て。……優莉、もう一回言って」
にわかに信じられないといった様子だった。
「えっ、い、言えませんっ」
「なんで。今の言葉をただ繰り返すだけだ」
「無理です。恥ずかしいっ」
「ダメだ。言え」
最後には命令形になり、優莉が首を横にふるふると振っているうちに唇を奪われた。
「――んっ……は、やとさ……っ」



