「今日から仲間になるふたりを紹介する。門倉くんと花崎さんだ」


兼平から自己紹介するように言われ、門倉に続いて優莉も挨拶をした。総勢十二名のメンバーみんなににこやかに迎えられ、ひとまず安堵する。

ふたりにはそれぞれ先輩社員がひとりずつつき、しばらく仕事を教えてくれるという。
優莉には田町(たまち)春香(はるか)という四歳年上の小柄な女性がついた。身長もそうだが、顔立ちも優しげな小動物系でかわいらしい。


「花崎さん、どうぞよろしくね」


声まで小鳥のようにほがらかだ。


「こちらこそよろしくお願いいたします」


優莉がしゃちほこばって頭を下げると、「そんなに緊張しなくて大丈夫」と優しく微笑んだ。
昨日出た辞令だというのに優莉専用のノートパソコンがきちんと手配されていて、勝手に歓迎ムードを感じてうれしくなる。

春香の隣に腰を据え、早速ノートパソコンを開いた。