「社長、意地悪すぎます」
「優莉をからかうのが楽しいだけ」
「ひどいっ」


悪態をついたものの、隼ならば優莉が呼ぶまで本気でご飯をお預けにするだろう。


「さあ、呼んでみようか」


ニコニコというよりはニカニカ。屈託のない笑みを浮かべた隼は、テーブルに身を乗りだすようにして優莉の顔を見つめる。


「……は、やとさ……ん」


消え入るほどの小さな声でボソボソ言ったが、即座にダメ出しをされた。


「聞こえないよ」


両手を耳にかざし、聞こえないとアピールする。
こうなったら破れかぶれ。どうにでもなれという思いだった。


「隼さん」