――あ、でも給料日が三日後だから、なんとかなるかな。
そう思ったそばから隼は財布を取り出し、そこからお金を引き抜いた。
「一緒に行けなくて悪いけど、これで買い物を頼めるか?」
「すみません、そんなつもりで言ったんじゃないのに……」
失言をして肩身が狭い。
「生活費だと思えばいい。キミは俺の婚約者だから」
そう言われると、とても恥ずかしくなる。そのうえ、最後の言葉を強調して言ったように聞こえたから余計だ。
「夕食、楽しみにしてる」
それもまたプレッシャーだが、優莉の気持ちを軽くしようという隼の優しさだろう。
「がんばります」
腕に力こぶを作って見せた。



