仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~



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昨日同様、コーヒーだけの朝食を前に、隼はタブレットでなにかを読んでいた。


「今日も仕事は休み?」
「いえ、今日は出勤します」


昨日のうちに必要なものは買って来られたし、休んでほかにやることもない。あとはアパートの管理会社からの連絡を待つのみだ。


「今夜は何時頃お帰りですか?」
「特になにもなければ八時過ぎには。なんで?」


コーヒーカップを置いて首を傾げる。


「夕食はどうしようかなって」
「なんか買ってこようか」
「あ、いえ、そういうつもりで言ったんじゃないんです。もしもなんですけど、社長がよろしければなにか作ろうかなって。これから毎晩どうかと思いまして」


そう言ってから肝心なことを忘れていたと気づく。
作るもなにも、食材を買うお金がないではないか。昨日、社長から借りたお金はまだ残っているが、毎晩どうにかなるような金額ではない。