制服、か。

お母さんと一緒に校門に向かって歩きながら、コートの下からひらひらとのぞく制服のスカートに視線を落とす。

グリーン系のチェックのスカート。コートの下に隠れている、大きな金ボタンのついた紺のブレザーとグリーンのボウタイ。

つい最近まで在籍していた私立高校の制服が、私は結構気に入っていた。

新しい制服に袖を通して高校の入学式を迎えたときは、まさかこれを一年も経たないうちに脱ぐことになるとは思わなかった。


体育の授業が行われている校庭から、先生や生徒たちが話し声が聞こえてくる。

あんなことがなければ私だって今頃普通に授業を受けていたはずなのに。

そう思ったら、校庭にいる名前も知らない彼らのことが恨めしかった。

あのときは正しいと思った自分の行動は、間違いで、誰にとってもマイナスにしかならない無意味なことだった。

あの子だって、余計なことをしてコトを大きくした私を恨んでいると思う。