【陽愛 side】
「じゃあ…私が龍太さんが探してる妹って私のこと……なの?」
「ああ…」
もう驚きでどうしたら良いのか分からなくなる。頭が回らない。
それは陽平くんも同じみたいで……。
「じゃあ、日向会は私を探すために作られた」
「……うん、全国にあればもしかしたら見つかるかもしれないって。俺はどうしても会いたかったんだ。だって、家は違っても血の繋がりのある唯一の家族なんだから。」
家族……。
その言葉に涙が頬を伝った。
「陽愛……?
」
でも、私はずっと兄の存在を忘れていた。ただ、お母さんが唯一の家族だと信じていた。
「私……お母さんだけが家族だと思ってて、」
私が話し出せば何かを察したのか、静かに陽平くんはこの部屋から出て行った。



