仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



彼女に俺たちの関係を聞かれて本当のことを言おうか迷った。けどきっと、陽平が話してるはず…だから。

「俺たちは、

……血の繋がった兄妹だよ」

「え……」

「俺たちは、両親を事故で亡くしたんだ。俺も小さかったし詳しいことは分からないし覚えてない。

実際に両親の顔や声も覚えてないんだ。身寄りがなかった俺たちは施設に預けられた」


「でもどうして、離れ離れになったの……?」

両親のない俺たち。

大人に言われるまま施設に行って

大人に言われるまま里親の元へ行くことになった。

まだ子供だったから拒否するなんて出来なくて、陽愛と別れることも受け入れなきゃいけなかった。

だから、俺が作ったんだ。離れ離れになるって聞いて陽愛が寂しくないようにまた会えるように……。


それから、先に俺の里親が迎えにきた。

俺は、中谷 龍太から 藍墨 龍太になった。
陽愛は、朝倉 へと変わったと聞いたんだ。