仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



何故この人が私を知ってるの?

陽平くんも驚いている顔をしているから陽平くんが話したわけではなさそうだ。

「……そのキーホルダー」

突然総長さんが私のキーホルダーを指差す。これは記憶にはないけど大切な人からもらったんじゃないかと思ってずっとつけていたもの。

【HIYORI】
【RYUUTA】

「そっか、陽愛は覚えてないか。それ……小さな頃俺が陽愛にあげたんだ。また会えるように、再会したらわかるように」

再会したら……って、そもそも私たちは昔会っていたってことだよね。

「…覚えていないというか、記憶が抜けちゃったのかな。あの時、陽愛小さくて離れ離れになるって聞いてすっげー泣いたんだ。」

彼は本当に懐かしむように言うけど私の記憶の中にはそんな記憶がなくて…それがモヤモヤする。


「あの、龍太さん…私たちの関係はなんですか…?」

私がそう聞けば彼は龍太さんはゆっくりと口を開いた。