仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



何故だか喫茶店の経営が気になってそれで盛り上がってしまい、ミルクティーは完全に冷めてしまった。

「トースト、冷たくなっちゃったね」

「話しすぎたな」

冷めてしまった料理をお腹いっぱいに食べて喫茶店を後にした。

「次はどこ行くの?今度こそ病院?」

「あ、うん。そうだよ。総長の、お見舞い。」

昨日誘われた日向会の陽平くんの前の総長さんの病院に今から行くらしい。しかもその病院はお母さんが亡くなった病院で、なんだか感慨深くなる。

もしかしたら、あの日会ってたのかもなぁ……そうだったらすごく素敵だよね。

トントン、━︎━︎━︎━︎━︎

「お、陽平来たのか〜…でそっちの子が姫?

……もしかして、」

総長さんが私を見ると優しい顔を向ける。そして知らないはずの私の名前を呼んだ。


「“ひより”っ……」