「なんかすごく嬉しいのに複雑……」

父様たちから承諾をもらってひと安心できたけど、それに至るまでのみんなのわたしへの評価はグサグサ刺さるものだった。

「よかったじゃねえか。あの巽さんを攻略出来たんだぞ?」

「ってかなんでみんないるの?」

うちの玄関先でみんな集まっていた。

見事なまでに勢ぞろいだよ。

わたしの疑問には由羽くんが答えた。

「作之助から聞いたからな。ダメ押し程度にしかなんないだろうけど、助っ人」

「いや……来てくれてありがとう。俺もびっくりしたけど、助かった」

本当に真っすぐだな、作之助は。

でも確かに、みんなが言ってくれたおかげってのは大きい……。

羽咲ちゃんがわたしの腕に抱き付いてきた。極上の笑顔で。

「水都ちゃん、おめでとう」

羽咲ちゃんには昨日のうちに電話で報告しているけど、面と向かって言われるとやっぱり嬉しい。

「羽咲ちゃん……ありがとう!」

わたしの方から抱きしめ返すと、総真くんに殺気を放たれた。

このくらいは見逃してほしい……親友なんだよ? 

総真くんと気配だけでバチっていると、景くんが少し心配そうな顔をしていた。