俺の言葉を聞いて、水都さんが「えっ……」と顔をあげた。
今なら言えることだ。
前の俺だったら、こんなことに関わるのは面倒と思って素通りしていたこと。
「うち、今両親が毎日帰ってくるんだ。喧嘩も一度もない。むしろ初めて見るくらい仲がいい。たぶんだけど……俺が変わったから」
「……作之助が?」
水都さんはそれまでびくついていたのが驚きにとって代わられたのか、きょとんとしながら俺を見て来る。
「水都さんが俺んとこに突撃してきて、誤解から始まったことだけど友達になって……俺、今毎日楽しいよ。水都さんと一緒にいるのが、楽しい。その気持ちでたぶん、俺が変わって来た。由羽たちとも友達になれて、家の中も変化があって……水都さんのおかげだ。全部。だから俺も――俺こそ、水都さんに恩返しがしたい。家に居場所がなくなったら俺んとこに来て。いつでも歓迎する。……まあ、あの水都さんの父様がゆるすとは思えないけど――」
「やだ……」
水都さんが俺を見上げたまま、瞳を揺らした。



