由羽と景の性格はだいぶ違うようだ。

景はぐいぐい来る。

そして昨日を思い出した俺は……ちょっと傷ついた。

「……怒られた」

「あー、やっぱ歓迎されたか――ん?」

「威嚇された」

「え……威嚇? 怒られたの? 誰に?」

景は信じられないと顔に書いて訊いてきた。

「水都さんの父様」

「「………え」」

今度は由羽も驚いた様子で二人同時に返事があった。

俺は哀しい気持ちのまま話す。

「水都さんの父様に娘は嫁にやらんとか婿もとらんとか俺が怒られて、水都さんと水都さんの父様が喧嘩してた」

あ、なんか泣けて来た……。

思わず目元をぬぐうと、ぽかんとした顔の由羽と景が俺を見ていた。

「え……巽さんって怒るの?」

景の疑問がつくところがすごい。

怒らない人間なんていないよ。