「水都と仲いいんだろ? たぶん気を遣って俺やなゆのことイトコって言ってると思って」

「あ、……うん。水都さんからはイトコって聞いてた……」

やっぱり水都さんの言っていた人か。

由羽も景も男の俺から見てもキラキラ王子系だと思うんだけど、由羽は不愛想な顔が通常で、景は同じ系統のにぱっとした顔をしている。

「やっぱ。ホントのとこ言うと俺の兄さんが由羽の父親なんだわ」

「……俺に話していいの?」

「? うん。あと、ここにはいないけど由羽の母親の妹の菜雪も俺らと同い年。んで、俺となゆがイトコなんだ」

「そうなんだ。……あんま言わない方がいいやつ?」

「そーな。説明面倒で学校では由羽たちとイトコで通してるから、よろしく頼むわ」

景ははたはたと手を振る。

それで水都さんはあのとき疑問符つきだったのか。

「わかった」

「あと、水都が迷惑かけてんだろ? 未だにヤンキーになりたいとか言ってんの?」

「最近は言ってない……。俺もヤンキーな自覚ないし」

「由羽も総真も作之助のことべた褒めだよ。巽さんはどんな感じだった? 水都んとこ行ったんだろ?」