「羽咲ちゃん本当にごめんなさい」

総真くんのところに乗り込んでしまった日から迎えた最初の土曜日、羽咲ちゃんの部屋でわたしは土下座していた。

明日は作之助がうちに来る予定の日だ。

「私には謝らなくて大丈夫だよ」

羽咲ちゃんの部活終わりにお邪魔したから、今は土曜日の夕方。

あまり長くはいられないだろう。

羽咲ちゃんのお部屋でラグにじかに座って向かい合っていた。

羽咲ちゃんからおゆるしをもらってほっとして顔をあげると、やけににこにこした羽咲ちゃんと目が合った。

「……羽咲ちゃん?」

その様子が不思議に思って呼びかけると、羽咲ちゃんは前のめりに訊いてきた。

「で? 水都ちゃんはいつからあの人と付き合ってるの? ねえねえ」

………は?

「なんの話?」

「彼氏なんでしょう? あの背の高い……コガサクくんだっけ?」

………え。