「留守かしら...。」

「もしかして、病院に行っちゃったんじゃ...。」

「え...。
急に?」

「それで、重症な患者さんを...。」

「そんな...。」

「電話もメールも繋がりませんし...。」

「...。」

「一体...どうすれば...。」

「もう...駄目かもしれないわね。」

「え...。」

「光は、幼い頃から、どこか冷酷なところがあったの。
私や両親に甘えることもなければ、友達と仲良く話しているのも見たことがない。
自分がいじめられていても、悪口を言われても何も臆することもなく、むしろそんな人たちを見下すような目をしてた。
何を考えているのか、兄弟である私でもよくわからなくて。」

「...。」

「そんな光にとって、人に必要とされることが、切っても切り離せない快感なんでしょうね。
たとえそれが、自分にとって苦痛になるとしても。
あの子は、狂っているのよ。」

...助けが必要な人...。

「本当にそうでしょうか。」

「。」

「先生自身も、助けを必要としてるんじゃないかなって...。」

「...。」